コラム

2018/01/23

せぇるすまんにご用心(群馬・TH)

せぇるすまんにご用心


▼「ココロのスキマ、お埋めします」といった文言の入った名刺を渡されたら注意が必要かもしれない。藤子不二雄A氏によるブラックユーモア作品「笑ゥせぇるすまん」のアニメがリメイクされた。ガジェット通信のアニメ流行語大賞にも決め台詞(せりふ)「ドーン!」が選出されるなど注目を集めた


▼作品は1話完結のオムニバス形式。怪しい容姿のセールスマン喪黒福造(もぐろふくぞう)が悩みを抱える人々の前に現れる。喪黒は強引に人々をお客さまとし、その願望を叶えるサービスを提供する。その際に約束事や忠告をするのだが、たいていの客はそれを厳守できず、最終的には代償を負わされる


▼客として選ばれる人は日常生活に不満や不安を抱いており、周囲に馴染めず孤立しがちな傾向。喪黒のサービスを受けるとその甘い体験を忘れられず、度を超えてしまう部分も共通している。代償も話によって異なるが、最悪の場合は死に至る。軽度なものでも逮捕などの社会的な破滅、あるいは身体の高齢化など以前の生活を失うことになる


▼喪黒の目的は明らかになっていない。冒頭の台詞では「この世は老いも若きも男も女も、心の寂しい人ばかり」とし「お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます」と述べている。その正体も人間ではない存在とだけされており、謎に包まれている。悪魔か妖怪か、いずれにしても気持ちの良い存在ではない


▼自分の前に喪黒が現れたら、と想像すると恐ろしくなる。確実にそのサービスに酔狂し、約束を破り、制裁を受けることだろう。そうならないよう精一杯生き抜き、ココロのスキマを作らないよう日々を送りたい。(群馬・TH)


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