コラム

2018/02/10

10年前のナビを携えて(埼玉・YM)

10年前のナビを携えて


▼10年前自分は何ををしていただろうかと振り返ってみる。新卒で今とは別の関西の会社に入社し、早々に右も左も分からない東京への配属が決まった。社会人になってから登山を始めたこともあり、登山用に中古車を購入。縁も由縁もない東京で道に迷うのが怖くて、最新型のカーナビに付け替えた


▼10年前は今のようにアンドロイドやiOSのアプリ開発が進んでいなかったこともあり携帯電話をナビ代わりに利用することは少なく、道案内は車のナビが主流だった。新品のナビは、首都高はもちろん幹線道路や複雑な交差点もしっかり案内してくれて重宝したことを憶えている


▼10年の月日の中で、会社をいくつか転々とした。東京ではなく地元に戻って働く時期があった。それでも登山の趣味は続けており、週末になると近くの山に出掛け、連休になると車に乗って遠方の著名な山を目指すこともしばしば。その時もナビは非常に役立った


▼10年が経ち、今は埼玉で仕事も生活もしている。地元から埼玉までは車で移動してきた。10年前と同じように首都高や東北道を利用するがナビが道なき道を表示し始めた。思えば道中にある東名と新東名の分岐も表示していなかった。地元にいる時には違和感がなかった10年前のナビが首都圏においては役立たずになっていた。それほどに首都圏と地方の都市開発の速度に差があることを実感した瞬間だった


▼10年で都市も人も成長する。人の成長速度は地域によって違うのだろうか。人が持つナビは好奇心と向上心で更新され、道に迷っている人に指針を示す。感度を上げれば速度は同じだと思う。(埼玉・YM)


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