コラム

2018/02/16

ドラマのように楽しむ一年(茨城・TT)

ドラマのように楽しむ一年


▼昨年12月24日に放送を終えたTBS系ドラマ「陸王」。最終回は視聴率が20%を超え、毎週楽しみにしていた方も多いと思う。池井戸潤原作の話題となった同名の小説をドラマ化したもの。内容は、資金繰りに苦しむ足袋作り百年の老舗「こはぜ屋」が、足袋製造の技術を生かしたランニングシューズ「陸王」の開発に挑むというストーリー


▼資金難や素材探し、夢を追い掛け受け継がれてきた伝統を打破することへの不安、企業のつながりとしがらみ、夢と現実的な損得の間で揺れ動く様。ドラマだからだろう、何度も絶体絶命かと思われる窮地に陥るが、その都度救いの手が差し伸べられる


▼「現実はこんなにうまくいかないよ」という部分が何度かありながら、暗く重いというだけではなく、情熱と弱さを併せ持つ主人公のひたむきな姿勢に心が打たれる。それに加え脇を固める個性的な俳優陣、サプライズな出演者も人気の一つだったのかもしれない


▼先日、偶然目にした雑誌、月刊PHPに「現実に危機に直面したとき、これもまたドラマの舞台、自分をその主人公に見立て、不屈の闘志で事態を打開できたとしたら、まさにヒーロー、観客ではなく主人公としても極上の喜びを味わえるのではなかろうか」とあった


▼このドラマの余韻が冷めやらぬまま新しい年を迎えたが、もし自分に悪条件が重なり窮地に立たされたとき、ドラマの主人公になったつもりで冷静に立ち向かうことができるかどうかは怪しい。しかし「なぜ悪条件ばかり重なるのか」と嘆いてばかりいるのではなく、その状況を少しでも前向きに捉え、楽しめる自分でありたいと思う。(茨城・TT)


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