コラム

2018/03/23

足並みそろえ革命推進を(埼玉・HK)

足並みそろえ改革推進を


▼リサイクルショップで税込み1080円の値が付けられた、比較的状態の良いフィルム一眼レフカメラを見つけた。店員いわく「ジャンク品のため返品はできません」とのことだが、少し手入れをすれば使えると踏んで購入を決断した。調べてみると、このカメラは1967年に発売されたモデル。内蔵露出計以外は機械式のため、35mmフィルムとレンズがあれば撮影が可能だ


▼およそ20年ぶりのフィルム装填(そうてん)は、神聖な儀式のようで鼓動が速まった。フィルム巻き上げレバーを起こしシャッターを切ると、ガシャンと心地よい感触が手に伝わった。デジタルカメラ(デジカメ)と異なり、現像するまで作品の出来を確認できないため、被写体と向かい合う緊張はひとしお。作品の懐かしい風合いも魅力だ


▼1990年代後期から2000年代にかけてのデジカメ普及は、戦後のカメラ業界における最も革命的な出来事だろう。レンズから光を取り入れ、シャッターを開いて感光させる撮影の仕組みは変わらなかったが、デジカメは利便性と画質の面でフィルムを大きく上回った。フィルム市場は急速に縮小し、時代の潮流に乗れない企業は苦戦を強いられた


▼建設業界で革命と言えば、昨今のi-Constructionを推進含めた生産性革命プロジェクトを想起するのではないか。業界のさらなる発展のため中長期的に必要不可欠な政策だが、ICT建機・機器導入を含む対応が受注者側の課題となっている


▼受発注者双方の足並みがそろわないまま生産性革命を進めれば、カメラ業界のように対応できない企業から疲弊していくことになりかねない。(埼玉・HK)


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