コラム

2018/03/30

寒波から見た地方(新潟・YY)

寒波から見た地方


▼今冬の寒波による大雪と厳しい冷え込みは、雪に慣れているはずの新潟県など雪国にも大きな被害をもたらした。除雪中の事故、列車や自動車の立ち往生、水道管の凍結・破裂による大規模な断水もあった。被害を大きくした背景には少子高齢化、空き家問題、インフラの老朽化なども見て取れる


▼新潟県や北陸地方の断水は水道管破断による漏水により浄水場の水量が足りなくなったことで発生。佐渡市では1万を超える世帯が断水し、完全復旧まで1週間近くを要した。空き家が多く、空き家からの漏水に気付かなかったことが実態をつかみにくくし、早期の復旧を妨げた


▼井戸水を散水し、道路の雪を溶かす消雪パイプのトラブルも目立った。消雪能力を超える降雪量と施設老朽化による不具合。地下水の揚水量が増加することで起きる地盤沈下警報も出された。消雪パイプが敷設されている道路では、散水施設を傷つけないよう細心の注意を払いながらの除雪となる


▼これまでに建設された公共施設は今後、大量に更新時期を迎える。各自治体では公共施設等総合管理計画を策定し、施設全体を把握した上で人口減少から過剰となる施設の廃止・縮小を検討。定期的なメンテナンスにより長寿命化を図ることで更新費用の抑制などを見込んでいる


▼ある自治体の当初予算発表会見では例年の2・5倍に膨らんだ除雪費用に首長が頭を抱えていた。また、雪が消えてあらわになる被害も見逃せない。道路舗装は除雪により傷み、雪の重みで潰れかけた空き家も目立つ。さらなる修繕費と空き家対策費用の捻出に雪国をはじめとした地方自治体の悩みは尽きない。(新潟・YY)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら