コラム

2018/04/05

当たり前だけど大切なこと(群馬・AO)

当たり前だけど大切なこと


▼一般紙でも専門紙でも、記事を書く人は記者と呼ばれる。どのような仕事に就いていても同じだろうが、長く記者をやっていると、いろいろなタイプに出会う。切り口が素晴らしかったり、書き方がスマートだったり。山椒は小粒でもピリリと辛いではないが、1面トップを飾らなくても、小さい見出しだったとしても、目を引く記事を書く記者はいる


▼一方、困るのは嘘(うそ)を書いてしまう記者。間違った情報を基に書いてしまったり、勘違いなどで書くのではなく完全な嘘。これは悪意に満ちている。読んでいる全ての読者に嘘を伝えてしまい、新聞の信用を地に落とすばかりか、取材先も被害に遭う


▼雨天のため中止となったイベントを開催したと書いた記事を読んだことがある。事実と異なることを書いて、読者を誘導する記事もある。他紙の記事をそのまま流用したという記事もある。内容が事実なら読者に被害はないが、何を考えて、そのような記事を書いているのか


▼読者から「この前の記事は、あっちの新聞が早かったね」と言われ叱責(しっせき)かなとビクッとしたが「遅かったけど、あれが正しい内容だったね。助かったよ」との言葉をいただいたことがある。後追いの取材は嫌なものだが、その時は先に出た記事が、誤報と言える内容だったため、取材先からは「正しい情報を載せてくれ」とまで言われたものだった


▼記者になった理由は、なんとなく〝かっこいい〟だった。この世界に飛び込んで20年。いつも心掛けていることがある。早く、正しく。記者としてこれだけは譲れないと思って、やってきた。これからも、必要としてくれる読者がいる限り。(群馬・AO)


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