当たり前の後ろに（新潟・ＴＨ）

当たり前の後ろに

▼お笑いコンビ・にゃんこスターの「飛ばないの？」のこの言葉を借り、何度「止（や）まないの？」と突っ込みを入れたことか

▼ことしの大雪のことだ。上空から延々とすさまじい勢いで降り続く雪に恐怖すら感じたものだ。おかげで２回も車が雪にはまってしまい大騒ぎした。雪国で生まれ、雪には慣れているといえども今年の雪は尋常ではなかった

▼ある朝、通勤途中で聞いたラジオの話が深く胸に刺さった。除雪を行っている建設業のリスナーからの投稿である「心身ともにクタクタ。毎日、通常業務を終えてから除雪に向かう状況が続いていたのだが、会社に届く声といえば感謝どころか家の前に雪を置くな！とか早く除雪に来い！というようなクレームめいた電話ばかり。これでは除雪をやる業者がいなくなってしまう。できれば文句ばかりではなく、やさしい言葉や励ましの言葉の一つでもかけてほしい」というような内容だった

▼確かに自宅付近でも夜から早朝にかけて除雪車がフル回転で作業していた。この除雪車が出動してくれなかったら車さえ出せず、一日中雪かきをしてもなお身動きできていなかったのではないかと思うとゾッとする。雪が降ったら除雪車が出て当たり前と思っているところがあったが、この話を聞き道路状況の悪さに愚痴を言っていたことに心底反省した

▼何かとネガティブなイメージがつきまとう建設業界だが、日々の生活を支えてくれている陰の立役者だ。当たり前の後ろにいつもそれを支えてくれている人たちがいることを忘れてはならないと自らを戒めるとともに、それを伝えることの大切さも実感している。（新潟・ＴＨ）