コラム

2018/04/25

摩天楼の明かりを見て思う(茨城・KS)

摩天楼の明かりを見て思う


▼空前の人手不足、超売り手市場の時代―。2019年卒業の大学生に対する企業説明会が、3月に解禁となった。テレビの情報番組では、いろいろな理由で、さまざまな業種を志望する学生たちを報道していた。どのような業種であれ、就職活動で重視していることとして「福利厚生」や「職場の雰囲気」を挙げる学生が多かった。設計会社を志望する女性は「休みがとれるか」を掲げていた。中には転職することを前提に「研修制度が充実しているか」を重要視する男性も


▼高校生も同様である。国土交通省の研究機関、国土交通政策研究所が全国の建設会社と工業高校生に対して実施した就職・採用活動についてのアンケート結果がこのほどまとまった。それによると高校生が就職先を決める上で重視することとしては「仕事内容」「会社の評判」「給与」「勤務時間・残業」「休日・有給休暇」「職場の雰囲気」が目立った


▼一方、建設会社が採用活動の際にアピールするポイントは「技術力」「歴史・実績」「社会貢献の取り組み」などで、学生が求める情報と企業が提供する情報のミスマッチが生じていることが浮き彫りとなった


▼企業は若者が求める情報を適切に提供することが必須である。しかし「勤務時間」「休日」については、とてもアピールできない、したくないというのが実情ではないだろうか。これらを胸を張ってPRできるように改善しなければならない時が来ている


▼まずは国や県など発注者がモデルとなり、率先して「働き方改革」を推進してほしい。毎夜、目の前の摩天楼の窓から漏れる明かりを見てつくづく考える。(茨城・KS)


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