コラム

2018/05/10

増加は人間のせい(山梨・TH)

増加は人間のせい


▼外来生物が話題になっている。テレビ番組の「池の水ぜんぶ抜く」や「鉄腕ダッシュ(グリル厄介)」はおもしろい。「池の水ぜんぶ抜く」では手付かずに放置していた池に対し掻い掘り(かいぼり)を行ってきれいにする。手順は①排水装置で水を下水道や池に接続されている農業用水に流す②本来その土地に住んでいない外来種動物や特定外来生物を捕獲し駆除③数日間、池を干上がらせてヘドロから窒素を排出、きれいな水を入れ完了。自転車や携帯電話も見つかる


▼「グリル厄介」は日本に上陸している厄介な外来種生物を捕獲し、おいしくいただこうとする企画。どちらの番組も視聴率が良いことから、一般的に関心も高いのだろう


▼山梨県は希少な動植物の情報を掲載した県レッドデータブック改訂版の概要を公表した。絶滅の恐れがある動植物は2005年策定の改定前と比べ、95種多い723種となった。植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類の7つに分類している。絶滅種が増える原因は幾つもあるが、外来生物の存在も少なからず影響しているはず


▼外来生物は人間の活動によって外国から入ってきた。ペットとして持ち込まれ野生化したものも多い。農産物を荒らしたり、元来の生態系を損なうほか、人に健康被害を及ぼすなど問題に。2005年施行の外来生物法で特定種は飼育や運搬、放流が禁止された


▼飼ったはいいが、やがて手に負えなくなり、殺せないので池や自然の中に放流・放置されて野生化。周りの生態系・自然・生活を破壊する。人間の無責任さが罪のない外来生物を増やしてしまった。ペットを飼うのも慎重に。(山梨・TH)


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