コラム

2018/05/12

賛否デザインを逆手に(山梨・SA)

賛否デザインを逆手に


▼2018年のF1世界選手権が3月末に開幕した。ことしはオーストラリアのメルボルンを皮切りに全21戦を予定。日本では10月に三重県の鈴鹿サーキットで開催される


▼F1では毎年様々なルールが変更されるが、ことしはマシンに運転者頭部保護システム・ハロの装着を義務付けた。このハロは運転席の周囲をチタン合金の3本の柱で囲み、唯一車外にさらされているドライバーの頭部を保護するもの。変貌した外観に否定的な意見も多いが、外観の格好良さよりもドライバーの安全を優先した。強度は2階建てバスを乗せても問題ないそうだ


▼F1マシンのように屋根を持たない車をオープンコクピットと呼ぶ。これまでもクラッシュなどにより脱落したパーツや車輪が、車外に出ている頭部を直撃し死亡する事故が幾度も発生している。F1人気全盛期のスーパースター、アイルトン・セナを襲った自車の右ホイールや金属部品も、ハロが備わっていれば尊い命を奪うことはなかったかもしれない


▼ルール変更以外で見逃せないのは、モータースポーツ界をリードしてきたホンダの活躍か。過去に栄光を共にした名門チームで3年前に復帰したものの、期待されていた成績を残せずに低迷した。ことしからエンジン供給をイタリアのトロロッソチームに変更し、上々の滑り出しとなった


▼前述したハロは、マシンの上部から見ると下駄の鼻緒のように見えるため、数チームがビーチサンダルメーカーのスポンサー獲得に成功したようだ。外観デザインに賛否はあるが、考えようによってはビジネス展開もできる。そんな思考を是非見習いたいところだ。(山梨・SA)


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