コラム

2018/05/18

適正な価格で購入したい(東京・KK)

適正な価格で購入したい


▼昼時によく利用する蕎麦(そば)屋が一律50円の値上げに踏み切った。月に20日間利用すれば1000円の出費増となる。その一方で自動販売機の入れ替えにより毎日購入するお茶が10円安くなった。うれしくもあり悲しくもあり複雑な気持ちである。来年10月の消費税増税後には再び価格を改定するのだろうか


▼前者は材料費や人件費の高騰によるやむを得ない値上げであり、後者は競争に勝ち抜くための企業努力の成果による値下げだ。値上げであれ、値下げであれ従業員の賃金に適切に反映されていると思いたい


▼最近はメーカー側が希望小売価格を特に定めないオープン価格を導入する商品が増えた。カタログを読んでも、おおよその値段すら書いていない。家電製品の場合は、たまったポイントを使って値引きされた商品を購入する場合も多く、本当は安いのか高いのか分からなくなる


▼翻ってスーパーなどではフェアトレード認証ラベルが付いた商品を見かけるようになった。代表例としてバナナやコーヒーなどがあり、発展途上国で作られた商品を公平な貿易を通じて適正な価格で継続的に取引することによって、生産者に正当な対価を支払い、労働環境や生活水準を保証している


▼商品には必ず適正な価格がある。確かに安いに越したことはないのだが、安すぎる商品は本当に品質に問題はないのかと不安になるのも事実だ。商品を売る側は適正な利潤を確保できるように適正な価格設定を行い、買う側は商品の適正価格を見極める目を養う。簡単なようで難しいことだが、日本経済のプラス成長が続く今だからこそ、あらためて必要ではないか。(東京・KK)


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