コラム

2018/06/05

知ることの喜び(山梨・TH)

知ることの喜び


▼「知らないことを知る」という喜びは幾つになっても変わらない。例えば日本史の教科書の記述。日本最古の貨幣も和同開珎(かいちん)から「富本銭(ふほんせん)」、聖徳太子も「厩戸皇子(うまやどのおうじ)」に変わった。今後も研究により日々変化するだろう


▼身近でいえば、通勤途中にある山梨県のクリーンエネルギーセンターの入場料が無料と最近知った。水力や太陽光、風力など発電の資料や仕組みが多数展示され、参加体験型の装置は子どもたちが楽しみながらエネルギーを学べる。また山梨の自然環境やクリーンエネルギーの必要性をテーマに、地形模型と連動させた複合シアター形式の映画も上映している。屋外には珍しい風力発電も設置してあった。子どもが「山梨にも風が吹いているのになぜ風力発電がないのか」と質問していた


▼入社1年目に自治体関係者に同じことを聞いた覚えがある。「八ヶ岳南麓地域から甲府盆地にかけて八ヶ岳おろしという強風が吹く。それを利用して風力発電の設置はできないのか」と。担当者は「冬期にしか吹かない北西風なので年間通じてでないと難しいな」と苦笑。風力発電の発電量は、常に一定の力で吹かないので安定しにくいことを当時は知らなかった


▼そういえばクリーンエネルギーの代名詞でもあった、太陽光発電も以前ほど勢いがない。景観の問題や売電価格の下落、補助金の終了が主な理由だろう


▼電気工事業も他業種と同様に人手不足だが省エネ化で需要が増える。世の中は知らないことだらけ。体験してみないと分からない。子どもたちには多くの知らないことを知ってもらいたい。日本の明るい未来を照らしてほしいから。(山梨・TH)


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