コラム

2018/06/09

食品ロスと善意のかたまり(群馬・AO)

食品ロスと善意のかたまり


▼フードバンクという言葉をご存知だろうか。名前は聞いたことがあるがよく知らないといった声や、地元で活動しているのを知っている、という声もあるだろう。事業を行っているNPO法人などは全国各地にある。大規模に活動しているところもあれば、細々とやっているところもある


▼農林水産省によれば、食品製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設などへ無償で提供するというのがフードバンクの位置付け。規格外農産物、余剰生産、輸送段階で箱が傷んだものなどを対象としており、生産者やJA、市場などが提供する。また食品製造過程から出てくるものや、賞味期限の3分の1ルールなどで廃棄に回されるものを利活用できるシステム


▼実際にフードバンクの事務所に行ってみた。お菓子などが入った段ボールが目立つ印象だが、お米など生産者からの提供もあり、まさに市民の善意で集まっているというのがよく分かった。「小さな善意が集まれば、大きな力になる。皆さんの気持ちを大切にしたい」担当者の言葉だ


▼ただ、量の問題となれば、企業の協力は欠かせない。あらゆる食品製造工場が協力してくれればいいのだが。企業側は処理費用面でメリットがある上に、企業イメージの向上にもつながる。フードバンク側も確かな提供ルートが確立できる


▼大規模になれば、受け入れ能力の問題が出てくる。拠点となるフードバンクを設定し、そこから各フードバンクに分配することで対応するのが理想的で、その方向で動き出しそうだ。そうなれば、物流倉庫といった施設整備も必要になってくるだろう。(群馬・AO)


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