コラム

2018/06/22

懐かしい危険な道路(新潟・YY)

懐かしい危険な道路


▼動画投稿サイトYouTubeで新潟県阿賀町内の旧国道49号を映した投稿が目に留まった。新ルートの完成により通行止めとなった道路に並行して走るJR磐越西線の車内から撮影したもので、阿賀野川に沿って続く道路が流れている。関連動画もいくつかあり、旧道が豪雨で崩落した現場の様子もあった


▼磐越自動車道を補完し、太平洋側と日本海側をつなぐ重要な路線でありながら、旧国道49号阿賀町大牧~黒岩区間は大きな問題があった。狭あいで線形不良のため狭いトンネルや橋は大型車同士のすれ違いがままならない。崩落の危険が指摘されている区間もあり、一部区間は連続雨量150mm以上で通行規制が行われていた


▼2004年7月と11年7月の新潟福島豪雨でも大雨による通行止めや冠水が起こり、日常生活や物流などに影響が出た。一方で東日本大震災では物流路線として復旧復興に力を発揮し、新潟県と福島県を結ぶ重要な路線なのだとあらためて感じた


▼問題を解決しようと始まったのが国道49号揚川改良。ルートを阿賀野川沿いから対岸の山側に移し危険区間を避ける延長7・5kmの道路工事だ。5年前の開通式をはじめ、新ルート上のトンネル貫通式などを取材する機会があり、そのたびに関係者の期待や喜びの声を耳にした


▼旧道は旅行や仕事で何度も利用した。道路崩落現場で復旧作業中の横を通った経験もある。道路工事で片側交互通行になれば、長い渋滞にイライラしたことも。新ルートの完成により安全・安心を手に入れた反面、雄大な阿賀野川が迫る素晴しい景色は味わえない。勝手だが危険な道を懐かしくも思う。(新潟・YY)


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