コラム

2018/06/26

当たり前な景色の背景(埼玉・KK)

当たり前な景色の背景


▼「駅の東口なんて昔は何もなかった」。さいたま市のJR浦和駅東口側はこう評されることが多い。現在は買い物客が集まる複合型再開発ビルが立地し、交通広場や市民広場も完備。イベントなどが開催され、にぎわうこともしばしばだ。これらが整備されたのは全て2000年代。反対の西口側に比べると都市整備には遅れがあった


▼今となっては商業ビルも広場もイベントも当たり前の光景だ。近年、人口が増加傾向にある浦和駅周辺では、かつての東口を知らない住民も多いはず。以前は何もなかったと言われてもなかなかピンとこない人がたくさんいるのではないだろうか


▼学校が完全週休2日制になったのも00年代に入ってからだ。今の児童・生徒にとって、かつては土曜日にも学校へ行っていたなど信じられないだろう。小学校に入学して以降、当たり前のように毎週土日は休日なのだから


▼建設業においてはどうだろうか。残念ながら週休2日制が当たり前と言えるにはまだ至っていない。働き方改革に向けたさまざまな取り組みが少しずつ広がりを見せる中、休日の確保は最重要課題の一つ。毎週土日休みが当たり前の若者世代が建設業へ魅力を感じるよう促すには、週休2日の確保が鍵を握っているといっても過言ではない


▼一方で休日の増加は工期の制約やコストの上昇など諸課題につながるのも事実。解決すべき問題は山積みで、定着するにはまだまだ時間がかかりそうだ。当たり前の景色をつくる建設業が「休日確保が課題と言われた仕事だったなんて信じられない」と口をそろえて評される時代が来ることを願う。(埼玉・KK)


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