コラム

2018/07/06

周辺整備は地元業者で(山梨・TH)

周辺整備は地元業者で


▼山梨県内で今一番の話題はリニア中央新幹線の駅周辺整備だ。駅周辺には多くのアクセス道路や新規住宅街区といったインフラ整備が想定され、建設業者はビッグチャンスに期待が膨らむ。しかし駅周辺に暮らす人はリニア駅整備をどう思っているのか


▼6月上旬に山梨県と地元自治会との意見交換会を取材した。まず県から「リニア環境未来都市」の実現に向けた整備方針やイメージ図が示され、自治会からは「駅周辺の道路を整備をしてほしい」「コンクリートジャングルにならないように」など多くの要望が出た


▼ある一人の年配男性の発言に会場が静まり返った。「私は生まれてからずっとこの地域にいる。子どもの頃に道路や橋が初めてできたこと。町が変わり続ける様子もずっと見てきた。今自分のことよりも将来の孫や地域のためにどうするかを考えたい」と訴えた


▼駅の整備用地は大半を農家が所有しており、先祖代々守り続けてきた大事な土地。長年住んだ自宅を売却する人もいる。その住民の立場になると、中途半端な開発は「ご先祖様に申し訳ない」と思ってしまうのもうなずける


▼県が策定したリニア駅の周辺イメージ図には国内外を見据え、研究施設・セミナーハウス、商業・物販まちづくり拠点、コンベンション施設、宿泊施設があった。実際の機能や配置、デザインはリニア環境未来都市の創造会議で検討し決まるのだろう。自然豊かな立地をどのようにしていくのかを決める会議の責任は重大だ。地元住民が満足し暮らしやすい整備が一番であるべき。それを施工するのは県内建設業者。オール山梨で頑張ってほしい。(山梨・TH)


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