コラム

2018/07/11

情報があふれるからこそ(群馬・YT)

情報があふれるからこそ


▼ことしの4月にインターネット上で、ある大学が話題となった。その大学の名前は国際信州学院大学。ネット上のいたずらで作成された架空の大学だ


▼話題となったきっかけは、同大学の職員50人分の予約を突然キャンセルされたという同じく架空の飲食店「うどん屋蛞蝓(なめくじ)亭」によるツイッターの投稿。飲食店になめくじの名前を使うなど、この時点で怪しいにもかかわらず多くの人が大学への怒りや飲食店への同情を込めたコメントを投稿した


▼手が込んでいるのは、大学の公式ホームページまであるところ。校章や校歌、マスコットキャラクターまでそろっており、情報量は少ないが普通の大学に負けないくらい整っている。トップページを少し見るだけでは、架空のものと気づくのは難しそうだ。さらに読んでいくと主な就職先にYouTuber(動画投稿クリエーター)が並んでいるなど、明らかにおかしいところが見つかり、ようやく嘘だと確信できる


▼ただのいたずらだから笑えるが、これが悪意を持って、健康や金銭に被害を与えるべく用意されたものだったら見抜けただろうか。今回のいたずらは、あからさまに嘘だとわかる部分をわざと作っていたが、それも隠されていたらどうなっていただろう


▼多くの人がインターネットに触れやすくなった近年、いろいろな情報が手軽に手に入るようになり、生活はどんどん便利になっている。情報があふれる今だからこそ、真偽を見抜く能力が必要になっている。今回の騒動は、多数の人間が無責任に情報を拡散したことがきっかけの一つ。情報の伝達が早い今だからこそ、落ち着いた判断が重要だ。(群馬・YT)


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