コラム

2018/07/18

受け継がれるだろう熱い魂(埼玉・SW)

受け継がれるだろう熱い魂


▼林満明(はやしみつあき)騎手が6月23日のレースで日本中央競馬会(JRA)史上初となる障害レース2000回騎乗を達成した。と同時に、2000回騎乗を区切りに引退することを表明していたこともあり、惜しまれながら33年にわたる騎手生活に幕を下ろした


▼障害レースは馬に障害物を飛越させながらゴールを通過する速さを競う。林騎手は近年、1日1~2レースしか行われない障害レースにだけ騎乗していた。日本ダービーや有馬記念などには無縁だったが、あいにくの雨模様ながら熱心なファンが多数集結した光景には感慨深いものがあったはず


▼当日はレース前から「ありがとう」「お疲れさま」など労い(ねぎらい)の声が飛んだ。有終の美を期待したファンが多かったのか林騎手の馬は1番人気に支持されたが馬がレース中にけがをしてしまい、最下位で入線した


▼2000回騎乗達成のセレモニーで「ひと区切りついてホッとした」と語り「長く乗り続けられた秘訣はけがをしないように落ちること。まわりの騎手はレースでは厳しいものの、馬を下りれば優しいので、けがをしないようにこれからも頑張ってもらいたい」と激励。ファンだけでなく騎手仲間にも愛され、恥ずかしそうにしながら胴上げをされた。セレモニー後には、サインを入れたゼッケンやブーツをスタンドに投げ入れた


▼障害レースはあまり陽(ひ)の目を見ることがないが、馬の飛越の得手不得手に加え騎手の手腕がレースを大きく左右することもあり、見る人を熱くさせる。林騎手の巧みな技術を見ることができなくなるのは残念だが、熱い魂は後輩騎手に受け継がれることだろう。(埼玉・SW)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら