コラム

2018/08/02

野菜作りから考える(群馬・YY)

野菜作りから考える


▼今春から自宅の庭で野菜作りを始めた。家庭菜園と呼べるほどのものではなく、庭の片隅でニンジンやトマト、枝豆を育てている。緑が鮮やかなこの時期、隣家の庭に咲き誇る花々に心を惹(ひ)かれつつも「食」という実益のもと、せっせと野菜作りに励む。種まきをしても発芽しなかったり、水やりを怠って芽を枯らしてしまうこともしばしば。野菜作りでも目配り、気配り、心配りの精神が求められるかもしれない


▼数々の失敗を経験し、最近は野菜たちが見せるわずかな変化にも気付くようになってきた。葉の萎(しお)れ具合で調子の良し悪しを推察し、肥料の追加や水やり回数の調整などを行う。100%とは言いきれないが、大方はそれで良い方向へ向かって行ってくれる


▼群馬県内の建設業における労働災害発生件数が2年ぶりに増加に転じた。全国的に見てもその数は減少に転じず、近年は横ばいであるという。昨今では新名神高速建設現場での橋桁落下による作業員死傷など、痛ましい事故を目にすることも多い


▼現場では基本である整理整頓と危険箇所の洗い出しを中心に地道な活動に取り組んでいる。関係団体でも小さな危険も見逃さないよう安全パトロールを実施するなど労働災害撲滅に向けた活動を推進。建災防は8月から墜落・転落災害撲滅キャンペーンを全国展開する


▼野菜作りでの最大の楽しみは収穫の時。虫害や病害を乗り越えての収穫は喜びもひとしおだと思う。食べる人の笑顔を想像しながらの野菜作りと、安全安心が確保された、やりがいのある職場作り。黙々と野菜の世話をしつつ、両者の共通点に考えを巡らすのも楽しい。(群馬・YY)


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