コラム

2018/08/11

ICTで点検の効率化(新潟・SS)

ICTで点検の効率化


▼建設現場の生産性向上を目指すi-Constructionの取り組み。ICT土工やICT舗装工に続き、ICT浚渫工も始まった。一方で公共工事の象徴ともいえるコンクリート工事は、現場ごとに一品生産する側面が強いせいか、ICT技術の全面的な活用は進んでいない。しかし橋梁やトンネル点検などのメンテナンス技術ではロボットによる画像診断や打音検査の支援など、実用化が近い技術も


▼大阪府北部地震で建築基準を満たしていない小学校のコンクリートブロック塀が倒れ小学生が死亡した事故を受けて、新潟県内でも小中学校や高校などのブロック塀を緊急点検。法令で定められた「控え壁」が設置されていないなど、基準に満たない擁壁が複数箇所で見つかり、撤去や立ち入り禁止などの対応を行っている


▼2012年に発生した山梨県の中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故では、事故前の点検で天井板より上部は打音検査どころか、目視点検すら実施していないという点検の不備が発覚した。残念ながら大きな事故の後でようやく適切な点検や診断を行う維持管理の重要性を再認識させられた


▼コンクリート寿命の目安とされる50年以上が経過するトンネルや橋梁は、高度成長期に整備された施設が多いことから、今後、加速度的に増加する。割合も現在の約4分の1から15年後には約半数が建設後50年以上の構造物となる


▼増加する老朽施設に対し、メンテナンスを行う技術者および労働者の不足が懸念される今、インフラを安全に効率的かつ経済的に点検することを目的としたロボットなどICT技術の実用化が急がれる。(新潟・SS)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら