コラム

2018/08/25

子ども発のコミュニティ(群馬・AO)

子ども発のコミュニティー


▼子ども食堂という言葉に触れて、一年になる。キッズカフェの事業名で取り組む群馬県前橋市の山本龍市長の会見だった。建設新聞としてはそぐわない内容だったが、NPO法人の関係者や携わる人たちの熱い思いが響いた


▼子ども食堂の元々の意味合いは、多世代交流型のコミュニティー、地域作りの一環で、子どもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂。農林水産省は食事のみならず、温かな団らん、共食の機会を提供するなどとしている。「こども食堂安心・安全向上委員会」の調査では、すでに全国で2000カ所を超える広がりをみせている


▼先日、NPOの担当者と話した際、さまざまな取り組みが進んでいると聞いた。感じたのは、子ども食堂が、子どもの居場所づくりから、子どもを通じた地域の新たなコミュニティー形成へと、当初の位置付けどおりに進み、根付き、さらに展開していきそうだということ


▼共働きの家庭で子ども一人で食事をしている、食事はお弁当を買って食べている、親と過ごす時間がない、誰かと一緒に食べる経験がないなど、成長過程で必要と思われることができなくなっている昨今。家庭の枠を超えて、地域として子育てに取り組む必要がある。その方策の一つが、地域に根差した子ども食堂


▼携わっているのは、地域の人たち。栄養のある温かいご飯を作って待っている。イベントもあったりする。そこでは、子ども同士の横のつながりや、親同士のつながり、地域の人たちとの新たなつながりが生まれ、新しい地域社会、コミュニティーが育っていく。今後に期待が高まる。(群馬・AO)



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