コラム

2018/10/12

赤ヘルの英雄から学ぶ(群馬・TH)

赤ヘルの英雄から学ぶ


▼9月5日、広島東洋カープの新井貴浩選手が今シーズン限りでの引退を表明した。ことしに入り、打席に立つ機会は減ったものの、ベンチにいながら相手チームにプレッシャーを与え、ここぞというタイミングで代打起用されると球場の雰囲気ががらりと変わる。チーム最年長である彼はまさに精神的支柱だ


▼彼はカープ一筋ではない。2007年オフにFA権を行使して阪神タイガースへ移籍。会見で「辛いです。カープが好きだから。FAなんてなければよかった」と涙ながらに発言。心を打たれる半面、ならば移籍しなければいいのではと思った


▼移籍後は打点王の獲得や3年連続全試合出場など素晴らしい結果を残すものの、逆にリーグ最多の併殺打を2度記録。けがもあり成績は低迷、批判の声も少なくなかった。結局、一度もリーグ優勝を経験することなく14年のオフに自由契約となる。38歳という年齢もあり、引退もささやかれたが、古巣に復帰。ファンからも温かく迎えられ、スタメンに定着した


▼迎えた16年、打率3割、19本塁打、100打点の大活躍でチームは25年ぶりのリーグ優勝、2000本安打も達成しリーグMVPにも輝いた。翌17年も2位と10ゲームの大差を付け優勝。ことしも優勝目前、残すは日本一のみといったところでの引退表明だった


▼選手をはじめとするカープの関係者やファンはもちろん、阪神ファンやプロ野球ファン全体が引退を惜しむ。どんな状況でも腐らずに、全力で奮起する姿は心に焼き付いている。彼を見習い、常に全力で挑み、そして引退の際には、各方面から惜しまれる。そういうプロになりたい。(群馬・TH)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら