コラム

2018/10/26

本物の社会貢献(茨城・KS)

本物の社会貢献


▼夏の終わりの風物詩「24時間テレビ」。チャリティー番組をうたっていながら、出演者が高額なギャラをもらっていることが取り沙汰され、昨今は非難の的となってしまった。実際に同番組のもととなったアメリカの〝MDAショー・オブ・ストレングス〟など海外のチャリティー番組は「出演者はノーギャラ」「コマーシャルなし」「経費収支を公開」が条件となっている


▼そもそも〝チャリティー〟とは何なのか。簡単にいえば公益的募金を目的とした活動のことで、よく似た〝ボランティア〟は無償の奉仕活動とされる。いずれにせよ慈愛の精神に基づく自発的な社会貢献であり、尊い行動である


▼〝ボランティアおじさん〟こと尾畠春夫さんの英雄的活躍が素晴らしい。8月12日に山口県で2歳男児が行方不明となった事件で、3日後に尾畠さんが捜索を開始してわずか20分ほどで男の子を発見したという。尾畠さんはこれまで由布岳の登山道整備のほか、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震にボランティアとして参加しているが、一貫して「ありがとう」といった言葉以外の謝礼は固辞。見返りなしの本物の愛がある


▼建設業界もたくさんのボランティアを展開している。8月10日の「道の日」にちなんだ道路清掃や、地域のお祭り後のごみ拾い、落書き消しなど枚挙にいとまがない。どれも地域の守り手としての地元愛があってこその活動だ


▼尾畠さんの座右の銘は「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」。実に心に響く。一方、同チャリティー番組のキャッチフレーズ「愛は地球を救う」。どうしてもギャラ問題が頭をよぎる。(茨城・KS)


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