コラム

2018/10/30

いつか胸を張れるように(埼玉・KK)

いつか胸を張れるように


▼公共事業に民間活力を導入するPFIなどの手法を多くの自治体が取り入れるようになった。民間事業者が持つノウハウを活用することで、質の高い公共サービスを安く効率的に提供できる点が特長の一つ。行政・民間双方にメリットがあると考えられ、広がりをみせている


▼一方、こうした手法では長期の契約を結ぶ事例が多いため、サービス水準を本当に維持し続けることができるのか、業務は問題なく引き継いでいけるのか、時代の変化に対応できるのか、といった懸念も生じる。担当する民間事業者が倒産してしまう可能性も否定できない。選択した手法が正しいものだったのか、真の評価を下せるのは未来でしかないように思う


▼建設業の働き方改革にも懸念事項はまだまだ多い。例えば休日確保の取り組みについては、工期が延びてしまうことによるコストの上昇、日給制労働者の給与補てんなどが課題として上げられる。将来にわたり業界を発展させるため、さまざまな議論がなされている


▼しかし、働き方改革を推進することが、今活躍する人たちに負担を強いることにつながるのであれば本末転倒だ。将来のための取り組みが現代に影響を及ぼす可能性も十分に考慮して進める必要があるだろう


▼先のことを考えつつ、今現在も大切にしながら判断を下す。それは人生も同じ。進学、就職、転職、結婚、出産…。後悔しない人生を送るため、ターニングポイントが訪れるごとに過去・現在・未来へ思いをはせながら熟慮を重ねて進みたいものだ。いつか「あの時の判断は正しかった」と胸を張って言えるように。(埼玉・KK)


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