コラム

2018/12/04

坂東太郎に学ぶ企業の存続(埼玉・SW)

坂東太郎に学ぶ企業の存続


▼茨城県内を中心に栃木、埼玉、群馬、千葉に計70店舗を展開する和食レストランの坂東太郎。1975年創業で従業員はグループ全体で2000人を抱える。同社の青谷洋治(あおや・ようじ)会長、青谷英将(あおや・ひでまさ)社長から直接、話を伺う機会があった


▼今でこそ年商100億円弱で多くの坂東太郎ファンを獲得しているが順風満帆ではなかった。会長によると「バブル絶頂期に次々に従業員が辞めていく時期があった」という。辞める理由が分からない中、母の墓参りを続け3カ月経ったある日「働いている人を幸せにすると人は辞めない」と言う母の声が聞こえたという。すぐに従業員に「話を聞いてこなかったこと」を詫びた


▼反省を教訓に、従業員が会社を好きになってくれるような取り組みを強化。同社では働くパートのことをファミリーと呼ぶ。また一方的に教える教育ではなく、共に育つ「共育」を大切にしている。相手の心をくみ取り、思いやりの気持ちを行動に移すため、日々の仕事や生活の中で人とのコミュニケーションによってトレーニングしている


▼さらに、掃除が上手にできた『ピカピカ賞』、笑顔が素敵だった『笑顔№1賞』といった数々の表彰制度を設けており、従業員のモチベーションアップにつなげている。他にも社長と従業員がゴザの上で語り明かす社長塾を年6回開催。活発な意見交換を心掛けている


▼会長は「企業が存続していくには働く人が会社に対して誇りを持てなければならない。自分が親に、親が誰かに自慢できる会社であることも重要」と語る。厳しい外食産業の中で、独自の取り組みを行っている同社に注目したい。(埼玉・SW)


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