コラム

2018/12/15

ロマンスの神様は微笑むか(茨城・TT)

ロマンスの神様は微笑むか


▼北海道や東北地方の天気予報に雪マークが見られる季節になった。冬に向かうこの季節に思い出されるのが広瀬香美さんの名曲「ロマンスの神様」や「ゲレンデがとけるほど恋したい」。この2曲はすでにウィンターソングの古典になりつつあり、同年代に青春を過ごした方は胸が躍るのではないか


▼前者の「ロマンスの神様」が発売されたのは1993年12月。歌詞にある『週休二日しかもフレックス、相手はどこにでもいるんだから』というフレーズが当時の世相を反映している。「花金」という言葉が誕生し、週休二日制が定着したのもこのころ。お立ち台と呼ばれるステージで羽根つき扇子を振り回して踊る光景が一世を風靡(ふうび)した


▼あれから30年。少子高齢化が進展する中、労働人口の減少は全産業に深刻な影響を及ぼす。国を挙げての働き方改革で、建設業にも長時間労働の是正、週休二日の確保が待ったなしの状況に置かれている


▼若者の入職者に苦慮していた建設産業界は、これを絶好の機会と捉え環境改善を実現できないと「地域の守り手」としての存続が危ぶまれる。その反面「所得が減るなら休みはいらない」という作業員が多いのも現実だ。休みが確保できても報酬が上がらない、あるいは下がったというのであれば、魅力ある産業へというのは掛け声倒れとなってしまう


▼所得と休暇のバランスが取れた制度の確立、働きやすさなど理想を言えば切りはないが、いま地方の建設産業界は正念場を迎えていることは間違いない。これからの日本は、長時間労働や休日の少ない産業にはロマンスの神様は微笑まないのかもしれない。(茨城・TT)


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