コラム

2018/12/22

木質バイオマスの利用(群馬・KS)

木質バイオマスの利用


▼林野庁では間伐などにより伐採された木材のうち、未利用のまま林地に残置されている間伐材やせん定枝などを活用した木質バイオマスの利用を推進している。林野庁のホームページによると、そのような間伐材などは年間約2000万立方mあるという


▼ある市町村を取材で訪問した時、木質バイオマス施設を建設することを議員に提言したが、あまり興味を示さなかったという話を聞いた。しかし、群馬県内では前橋市や上野村、東吾妻町に木質バイオマス発電所が建設されている。神流町でも木質バイオマス燃料となるチップ製材加工施設の建設を計画するなど、木質バイオマスの利用は広がりをみせているようだ


▼木質バイオマスとして活用している間伐材の多くは、搬出間伐の現場で発生したものと推測される。森林の間伐作業は搬出間伐と切り捨て間伐に大別される。搬出間伐は、高い生産性が見込まれる森林において森林密度などを考慮し、今後木材価値が上がると想定される木などを残して伐採する作業を指す


▼林業の仕事に携わったことがあるが、現場で搬出間伐を行う作業員は所有者に少しでも多くのお金を還元しようと林地残材を少なくなるよう考え造材している。作業が完了した現場を見たことがあるが、確かに林地残材は少ない


▼一方、優良木の成長を阻害する恐れのある木や不良木を伐採する切り捨て間伐では、多くの林地残材が発生する。今後、そのような木材の利用がキーポイントになってくるのではないだろうか。苦労して植えた木なのだから、利用できるものは無駄にせず利活用していかなければならない。(群馬・KS)


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