コラム

2019/01/11

色づく花にほっこり(山梨・OS)

色づく花にほっこり


▼「もうい~くつね~ると有給休暇~」。待ちわびる気持ちは指折り数える子どものよう。テレビを見たり本を読んだりネットしたり、買い物したり旅行したりぼーっとしたり。やりたいことは盛りだくさん。不謹慎にも仕事中そんなことばかり頭に浮かぶ


▼休みなのに給料がもらえる。これを最高と言わずに何が最高だろう。ところが、そんなすてきな制度を日本人はなかなか使おうとしない。「仕事がたまっていて」「他の人の負担になるから」「取りにくい雰囲気が」「ぎりぎりの人数だから」など事情はさまざま。日当で食べている人の中には「実際に働いた分だけが給料」という風潮もある


▼そんな人たちも4月からは休まざるを得なくなる。働き方改革の一環で年5日以上の有休消化が義務付けられる。有休がない労働者にも特別な休暇をつくるなどの措置が必要になる。雇われる立場の者からすれば喜ばしいこと。だが経営側からするとどうか。人手不足だったり人を増やす体力がない企業は廃業になりかねない。ただそこは経営者の踏ん張りどころ。従業員の幸せも念頭に知恵を絞ってほしい


▼生活に余裕がなく、休まず働くことを是とする時代もあった。ゆえに疲労が重なり心身共に病み、最悪の結末を迎える人も少なくない。世界的に見ても日本の有休取得率は格段に低い


▼あるタレントが「一生懸命休めない人は一生懸命働けない」と言っていた。仕事とは別の時間を持つことが仕事への集中力を高める。いい仕事をしたければ、いい休みを。花が咲いた、木々が色づいた。そうした季節の移り変わりに気付ける程度のゆとりは持ちたい。(山梨・OS)


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