コラム

2019/01/18

平成生まれ、平成育ち(茨城・TI)

平成生まれ、平成育ち


▼「平成最後」といううたい文句を見掛ける機会が多くなってきた。新元号への切り替えは5月なので少し早い気もするが、今しか使えないフレーズでもある。枕詞(ことば)のように「平成最後の○○」と付いていると「ならちょっと見てみようか」と思うから不思議。商魂たくましいとはこのことか。取材などで話す際にも、表記を統一する時流からか、西暦で答える人が増えている。平成の終わりをひしひしと感じる


▼平成生まれの若輩者としては、新元号に慣れることが出来るか不安がある。何せ、これまで平成しか知らないのだ。歴史としての明治や大正は読み物で知る限りであり、昭和は映像などで見る程度だ。平成もそうした振り返るものになろうとしている。いつかは訪れると分かっていたが、いざそうなると実感が湧かないものだ


▼似たような状況に「2000年問題」を思い出す。当時はさして気にせず、実際のところ騒がれていたシステム関係の問題や事件が起きたわけではなかった。おそらく、今回の新元号への切り替えも粛々と行われることになる


▼改元に際し、政府は新元号に加え、平成などの旧元号についても、新たな商標登録は不可とする方針だ。各省庁でも西暦への統一が進んでいると聞く。元号としての平成を見る機会はますます減ることになるのだろう


▼もちろん新しい元号に期待もある。次に思いをはせるとともに、慣れ親しんだ平成には「お疲れさま」と言いたい。技術や文化が劇的に発展した時代だった。「平成生まれ、平成育ち」なんてフレーズも考えたが、使う機会がなさそうなのでここに残しておこうと思う。(茨城・TI)


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