コラム

2019/01/22

今後は休憩にサンキュー(埼玉・YM)

今後は休憩にサンキュー


▼取材先へ向かう途中、昼に立ち寄る飲食店が閉店していた。あとで調べてみると従業員が過労死したことが一因らしいことが確認できた。過労死は英語でも「KAROSHI」と表記されるほど日本特有の労働問題となっている


▼建設業界では働き方の見直しが官民挙げて急速に進んでいる。中でも3K(きつい・汚い・危険)のイメージを払拭(ふっしょく)して、新3K(給料・休暇・希望)を定着させる動きを見聞きすることがある。首をひねる。そもそも3Kはイメージなのだろうか。建設に携わる以上は力仕事、高所作業などは少なからず伴う事実ではないだろうか


▼名代富士そば創業者の丹道夫氏は「社員こそ財産。従業員を追い込んだ売上100万円より、楽しくやりながら確保した売上80万円の方が良い。ほどほどに儲けて精神的余裕のある状態が一番。差額20万円は損ではなく余裕代として払ったと考えれば良い」と語る


▼3Kを新3Kという言葉で覆い隠すことは根本的解決にはならない。ならば3Kをしっかり伝えた上でPRする必要がある。あえて標語として挙げるとすれば「給料・休暇・旧友」の「3Q」を打ち出すのはどうだろうか。3Kに見合う給料、心身を休ませる休暇、家族・旧友と過ごせる時間を確保できると言った具合だ


▼会社あっての社員なのか、社員あっての会社なのか。立場で変わる鶏卵前後論争は尽きないが、丹氏が言うように社員は財産だ。今後は3Kだけでなく3Qをセットにした「3QK」をうたいたい。QKは休憩、3Qはサンキューとも読める。ダジャレめいたが仕事には笑える心の余裕が大切だろう。(埼玉・YM)


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