コラム

2019/02/02

欲求に忠実であれ(山梨・HI)

欲求に忠実であれ


▼年明け早々は街中が福袋、初売り商戦で群雄割拠の状態。めでたい雰囲気であふれていた。独特の空気感に気押され、ついつい財布のひもが緩んでいく。われに返り買い込んだ品の数々を見下ろしたときのやっちまった感。何とも言えない。だがこれが良い。これが正月なのだ


▼何かを購入する際は「買いたい時に買う」「迷うぐらいなら買わない」の2通りが基本。このシンプルでストレスフリーな考え方が好きで、今日も使い古した電気シェーバーを新調したのだった


▼大学の授業で米国の心理学者マズローの欲求5段階設を学んだことがある。人間の行動を「欲求」の観点から理論化した偉人。ビジネスマーケティングから恋愛心理にまで応用されるほどだ。簡単に言えば、食べたい・寝たい気持ちを基本に「安全に暮らしたい、理想の自分になりたい」など欲が膨らんでいくことを唱えている


▼確かにただ安いからといってモノを買う人はいない。店頭の広告を見ると「快眠を保証します」「歯が白くなります」といった物欲をそそる謳(うた)い文句に気付く。どこもかしこも誘惑でいっぱいだ。財布のひもが緩むのは仕方のないこと。そんな風に言い聞かせている毎日である


▼今年は増税の年。延期の可能性はあるが、駆け込み買いがすでに始まっている。日用品に限らず不動産にも同様な兆候が現れ、民間建築では工事の集中により資材も人材も不足する事態が起こる。前回の増税時と同様に今回も値引きキャンペーンは多くの商品で実施されるだろう。税が高くなるからといってそれに合わせて買いに走るのではなく、自分の欲求を大切にしてほしい。(山梨・HI)


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