コラム

2019/02/08

紙は不要か必要か(東京・KK)

紙は不要か必要か


▼大量の印刷物を削減し、紙を無駄に使用しないペーパーレス化が各地で本格化している。本年度からは中央省庁でも急速に取り組みが進み、原則として資料配布を行わない会議が増えてきた。取材・傍聴する側も事前に資料を印刷して持参するか、ノートパソコンやタブレット端末等を持ち込む必要がある。まさに時代が変わったと感じる


▼会議に参加する委員や事務局にも資料は配布されず、卓上に置かれたタブレット端末を見ながら議論する。今は過渡期ということもあって、紙の資料が一緒に配布される場合が多いものの、あくまでも主役は端末だ。事務局の操作で自動的に動く画面と対峙(たいじ)し、小さな文字に悪戦苦闘する高齢の委員も散見されるが、致し方ないといったところか


▼パソコンの画面上に表示された資料を確認しながら会議を傍聴する際に、最も不便だと思うのは自由に書き込みができないこと。紙であれば重要な箇所に線を引き、補足説明を書き込むことができるため、後で見返す際にとても便利。長年の習慣を変えるのは容易ではないが、取材する側も早く新しい方法を見つけなければならないようだ


▼出版業界や新聞業界では、紙媒体の他に電子化した商品を販売することが当たり前になりつつある。生まれた時から電子書籍が身近にある世代が増加する中で、紙媒体が減っていくのは理解できるが、寂しさを覚えるのも事実


▼ペーパーレス化が必然的な時代の流れだとしても、紙が無くなることは今後もないだろう。紙媒体にも電子書籍にもそれぞれの良さがある。互いの特長を生かした共存の道を探ることは十分に可能なはずだ。(東京・KK)


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