コラム

2019/02/16

やりがいが生む力(山梨・HI)

やりがいが生む力


▼「0から1を生み出すのは大変。でもそれがやりがい」とどこか照れた様子で話す現場監督の表情を見て口元が緩む。休憩時に談笑する姿から一変、ピリッと漂う現場の緊張感からは作業員一同、内に秘める強い思いを感じた


▼就職活動の際に「やりがいは何ですか」と質問が挙がる。建設業界では「地図に残る仕事」を挙げる人をよく目にするが、もし学生に尋ねられたときに何と答えるだろうか。確固たる目標を持っていると仕事に対する熱量が変わってくることを、現場取材をしているうちに実感した


▼草刈りや立木伐採のボランティアに同行したときのこと。作業終盤になると参加者からは「メリハリ」の声が行き交い再び気を引き締める。感想を聞いたところ口をそろえて「喜んでもらいたい」と笑みを浮かべた。富士山周辺の国道の清掃活動でも「道がきれいだと気持ちが良い」と話し、道脇の林の中まで踏み入りごみをかき集めていた


▼昨年、渓流の釣り堀に行ったときのこと。魚釣りなど滅多にしないため餌の付け方から学ぶことに。釣るまでに苦労したが、魚を焼いて食べたときのおいしさは格別だった。特に印象深いのは釣った瞬間、自分の方が魚より生き生きとしていた。またあの味を味わうためにも「次回はもっと釣ってやる」とやる気満々であるが「やりがいとはこういうことなのか」とあらためて実感した


▼0から1を生み出すまでには、構想・設計・用地・施工など多くの人が関わる。「より良いものを」と強い思いが引き継がれ完成を迎える。この一連の流れこそ業界の魅力でもあり、取材することへのやりがいに感じる。(山梨・HI)


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