コラム

2019/02/20

吸う人、吸わない人で(群馬・AO)

吸う人、吸わない人で


▼たばこを吸わない友人が少し怒ったように話し掛けてきた。電車で出掛けた際、乗り換えで時間があったので珈琲でも飲みながら一休みしようと喫茶店を探していたのだという。駅から一番近い店に入ると、たばこの匂い、テーブルに灰皿。席に着いた途端「ごめん」と店を後にした


▼友人の災難はまだ続く。次の店を探すとそこは分煙の喫茶店だった。しかし入り口側に喫煙席があるため、煙をかき分けて禁煙席に行かねばならない。さらに探すと禁煙の喫茶店が見つかったが、電車の時間を考えるとゆっくりする時間もなかったというオチだった


▼友人はたばこを吸う人だったのだが、病気もありスッパリやめている。今では髪や服に付いたたばこの臭いが気になるだけでなく、髪を洗っていると脂(やに)を全身にまとうようで気分が悪くなるらしい。彼と会う際は数時間前からたばこを吸わず臭いを消してから会うようにしている。自分なりのエチケット、配慮のつもりだが「だったら止めれば?」と詰め寄られる


▼全面禁煙の店、分煙の店、喫煙の店。いろいろあるが訪れる客は自らの嗜好に合わせて店を選んでいる。どうしても食べたいケーキがある。しかしその店は禁煙。その場合、愛煙家は食べに行く。その逆はどうか。たばこの煙が漂う店でしか食べられないもの。たばこ嫌いは食べに行くのか?よほど食べたいものでない限り行かないだろう


▼我慢できるか、できないか。人により程度は異なるけれど、我慢をする側もさせる側も、相手を思いやる気持ちがあれば世の中はもっと住みやすくなるのだろうなどと思いつつ、くゆらせていた火を消した(群馬・AO)


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