コラム

2019/03/30

それ自己満足ですよね(埼玉・YM)

それ自己満足ですよね


▼都内のとあるハンバーガー店でお昼ご飯を食べた。期待しながらベーコンハンバーガーを注文し、間もなく商品が運ばれてきた。ところが一口食べると肉の中がまだ赤い。店員に話すと「当店おススメの焼き方です」と返答。牛肉100%だと大丈夫らしいが、気になるので中まで火を通してもらう。お肉はすっかり脂が抜けてパサパサに


▼公共施設に行くと空調など維持管理費が大変そうな構造をした施設を見かける。さらに「なぜこんな場所に建てたのか」と施設への交通利便性が悪い場合や案内板の視認性が悪いため立て看板を設置している新庁舎もある。いずれも実際の使い勝手より、デザインなど別の利点を優先した結果ではないだろうか


▼世の中には一見するとおいしそう、格好良さそうというものが溢れている。実際に使う人たちを後回しにした中身の伴わないモノづくりは廃れやすい。お客様目線、市民目線と高々にうたうものに限って、自分勝手・自己満足とでも言うべきエゴを押し付けているように感じる


▼例えば「使いやすい」と言う場合、製作者側が言うのか使用者側が言うのかで意味合いが変わってくる。当然後者が言う方が納得する。自分発信による押し付けではなく、相手が自然と感じ取れるようなモノづくりこそ重要に違いない


▼外見ばかりで実際は使いにくい自己満足的なものでは、本当の用途をなさない。「お客様目線」と美辞麗句を並べ立てる前に使用者の声を聞き、商品づくりに反映するべきだ。中身があれば自然とお客も市民も付いてくる。目指すべきは中身があり、相手との信用を構築してこそのモノづくりだろう。(埼玉・YM)


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