コラム

2019/03/08

本物の働き方改革(群馬・TH)

本物の働き方改革


▼建設業の働き方改革の3つの中に長時間労働の是正が掲げられている。これを実現するためにノー残業デーを設けたり、残業時間を制限したりする企業努力はよく耳にする。時代の流れに取り残されまいと、どこも必死


▼残業と聞くと、夜遅く会社に残ってするもの、というイメージがあるだろう。しかし時間外労働という言葉に置き換えれば、その限りではないことは明白。例えば早朝の始業時間前、会社の指揮監督下にあり、義務付けられたか、余儀なくされた業務を行う場合は時間外労働に当てはまり、賃金が発生する


▼やむを得ず仕事を自宅に持ち帰る場合も、使用者が黙認していた場合は時間外労働に当てはまるようだ。もっとも自宅に持ち帰る場合は労働時間の問題だけでなく、情報管理面でも大きな問題があるため避けたいところ。タイムカード等を細工し、会社に申告せずに残業するのは論外


▼一定の仕事量がある中で、労働時間だけが削られれば、別のところで補う必要がある。時間という枠組みだけに捕らわれ、時間外労働で補填(ほてん)する考えは長時間労働の削減に向けた取り組みではなく、体裁を整えるためだけのごまかしにすぎない


▼電気設備資材などの製造販売を行っている未来工業(岐阜県輪之内町)は面白い取り組みを行っている。社員から業務の効率化に関するアイデアを募集する制度で、採用されると最高で3万円が支給されるという。それだけでなく提案すれば参加賞として500円が支給されるというから驚きだ。同社は創業以来赤字はなし。社員が自発的に効率化について考える環境作りが功を奏した良い例だろう。(群馬・TH)


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