コラム

2019/03/09

勇気と想像力少々のお金(茨城・TT)

勇気と想像力少々のお金


▼新しい年も早3月を迎え、今年一本目のコラムに取り組む。何か話題はないかと近くの書店に入ると「お金持ちが肝に銘じているちょっとした習慣」(菅原圭著、河出書房新社)というタイトルが目に留まった。お金は人生の基礎体力だという思いから、お金と仲良くなる方法が学べるこの手の書籍をつい購入してしまう


▼身の回りの「整理整頓」や「遅刻をしない」「心穏やかさを保つ」など、まずは正しい生活態度がお金を導く秘訣だと書かれている。思わず納得する、分かりやすい道しるべだ


▼季節がら1月は各団体で開催される賀詞交歓会などの取材に声を掛けていただくことが多かった。主催者や来賓代表のあいさつの中に高い確率で「技術者不足」に加え「予定価格の適正な設定」「働き方改革」が話題に上がる。それだけ切迫している課題だ


▼長時間労働の是正、休日の確保など働き方改革が進む中、建設業に限らず魅力ある産業になるためには処遇の改善は必要不可欠になる。残業が無くなり休みが増えても賃金が下がるようでは魅力も半減してしまう


▼ただ、労働の対価=報酬と割り切るのも何だか寂しい。報酬は多ければ多いほど良いかもしれないが、やはりそこにやりがいや社会的意義などが感じられないと長続きしない。人それぞれ考え方は違うが、今の世の中のように富める人はさらに富み、貧困者はますます貧困になるという2極化は、ますます拝金主義になりギスギスした社会になるだろう。ふとチャップリンの「人生に必要なのは、勇気と想像力、そして少々のお金だ」というせりふを思い出した。今年はこれか。(茨城・TT)


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