コラム

2019/03/16

女性進出の加速化を(埼玉・KM)

女性進出の加速化を


▼昨年9月27日、浦和競馬第7レースのことだ。ゲートが開き、雨降りのダートコースを競走馬11頭が一斉に駆け抜けていく中、8番人気のイーストスパークルは馬群の最後方を追走していた。先頭からずいぶんと差がついたが、道中、虎視眈々(こしたんたん)と脚をためたらしい。最終コーナーで突如脚色を変えると実況さえ間に合わない豪脚で直線一気、全馬をまとめて抜き去り大胆な差し切り勝ちを決めてしまった


▼馬上で勝ちどきを挙げたのは藤田菜七子騎手、21歳だ。中央競馬唯一の女性騎手として知られ、ことしに入って通算49勝を挙げている。競馬ファンの間でも「買える騎手」として評価が高まっている


▼藤田騎手の活躍を受け中央競馬は1日、女性騎手を対象に新たな減量制度を導入した。騎手は通常、服に鉛を装着し負担重量を背負う。これまでも若手騎手への重量ハンデはあったが、新制度では勝利数にかかわらず女性騎手には最低でも2㎏減の恩恵が永久的に与えられることになった。女性が活躍できる環境を整え、競馬全体の盛り上げにつなげる狙いがある。時代に合わせた競馬界の変革が始まっている


▼建設業界でも女性の入職・定着に向けた取り組みが全国各地で行われている。女性社員が意見交換を行う座談会や、女子学生を招いた現場見学会など内容はさまざまだ


▼現役人口が減少する中、担い手不足の建設業界にあって女性進出は頼みの綱と言っていい。そのための環境整備が企業全体の働きやすさに結び付けば建設業の未来はもっと違ったものになるだろう。女性社員のさらなる獲得と基盤固めに向け、建設業界には一層の加速が求められている。(埼玉・KM)


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