コラム

2019/03/27

あらためてトイレは重要(茨城・KS)

あらためてトイレは重要


▼国土交通省は2016年度から、男女ともに働きやすい環境を目指し、建設現場への「快適トイレ」の設置を促進している。同トイレの主な仕様は男女別の洋式で、二重施錠、照明、荷物置き場、鏡付き洗面台、除菌シートなどを備えていることだが、まだまだ普及しているとはいえない


▼中国の文学者だった欧陽脩(おうようしゅう)は『帰田録(きでんろく)』で「余、平生(へいぜい)作る所の文章、多くは三上(さんじょう)に在り。すなわち馬上(ばじょう)・枕上(ちんじょう)・厠上(しじょう)なり」と記した。物事を考えるのに適した3つの場所を挙げたものだが、馬上を車中と置き換えれば、現代も同じといえよう。中でも閉鎖的な空間で短期集中する厠上(トイレ)こそ、最高の思案場所と思う


▼10年ほど前に「トイレの神様」という歌が流行した。トイレには女神さまがいるから、毎日きれいにしていると女神さまのように美しくなれるといった内容の歌詞だった。また風水学では、「気」は玄関から入って、トイレから出ていくと考えられている。そして健康運と金運に関わる大事な場所だという


▼建設現場と同様に男性のイメージが強いガソリンスタンドで、究極の快適トイレを整備した店舗を取材した。トイレのある休憩所は別途、建築事務所に設計を依頼。男子用、女子用、多目的用に加え、子ども用も設置し、全室に冷暖房完備。さらに女性用にはパウダールーム(化粧室)を大きくとっている。従来の給油所のトイレとは全く異なる仕様である


▼同ガソリンスタンドの社員は「トイレがきれいな所は女性を呼べる。女性が入りやすければ、男性も入りやすいはず」と強調する。いろいろな意味でトイレは重要と感じた。(茨城・KS)


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