コラム

2019/04/27

話しやすい顔を心掛けて(茨城・TI)

話しやすい顔を心掛けて


▼「良い顔で走っているね。頑張って」。先日のこと、趣味のランニング中に通行人の男性からそう声を掛けられた。意識していなかったので驚きながらも、「ありがとうございます」と会釈を返した。そのまま走っていると、別の人にも「ここの公園は1周何㎞くらいなの?」と尋ねられ、今度は落ち着いて「3㎞ですよ」と答えた。同じ日に2度は珍しい


▼走っていると、たまに声を掛けられることがある。最も多いのは道を尋ねられることだが、残念ながらしっかりと答えられたことのほうが少ない。逆に迷惑になっては悪いからと、自分から声を掛けることは遠慮がち


▼以前、少しだけ時間が空いた時にかつて行きつけだった中華料理屋を訪問した。店主が顔を見るなり「実はいつもの店員さんが急きょ辞めてしまって、よろしく言っていました」と言われたことがある。基本的に店員との会話を楽しむほうではあるが、顔を覚えられて、伝言まで頼まれていたことには非常に面食らったものだ


▼顔を覚えてもらうことは重要だ。初めての取材先で担当者から通り一遍のことしか教えてもらえなくても、2度3度と繰り返し足を運ぶうちに「実は…」と深い話に発展することがままある。記者に限らず多くの仕事に共通していることだろう


▼連絡手段が多様化している時代だからこそ、じかに会い、顔を覚えてもらうことに意義がある。その第一歩が表情で、第二が根気だろう。表情から受ける印象によって話しかけやすさもまた違ってくる。これからも話しやすい顔を心掛けていたい。生来の口下手で応えられるかは甚だ自信がないが。(茨城・TI)


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