コラム

2019/04/10

醤油蔵に学ぶ日本一への道(埼玉・SW)

目指すは日本一の醤油(しょうゆ)蔵


▼埼玉県川島町の笛木醤油は従業員数54人で、創業230年目を迎える老舗醤油メーカー。醤油出荷(生産)量がこの20年で30%減少し醤油醸造所も60年間で4分の1となっていることに笛木正司社長(12代目笛木吉五郎)は危機感を抱いている


▼消費スタイルがモノからコトに変化していることを受け、地元の人や外国人観光客にアピールするため、体験型複合施設の醤油パークを11月にオープンさせる。体験型の工場見学、木桶うどんや地元食材を活用した卵かけご飯などを提供する醤油蔵のレストラン、直売店などを備える


▼「大手メーカーと競争しても勝てないので徹底的に差別化を図っている」と語る笛木社長は海外にも販路を見出そうとしている。日本食人気の高まりもあり、2017年からフランス、アメリカなど7カ国に販路を拡大。「年内には10カ国以上にしたい」と意気込む


▼また木桶職人復活プロジェクトにも挑戦。木桶生産の醤油は全体でわずか1%のシェア。伝統の味と技を守るため16年に半世紀ぶりに桶を新調した。18年には初めて埼玉県産材(ときがわ町産材)を使用し、20石(高さ2m)の大桶が完成。社内に木桶部を創設して1月には徳島県の司製樽へ従業員を1週間ほど派遣、修行させた


▼さらに「企業経営の最重要課題の一つに働き方改革がある」と認識。毎年、社員と1対1で個別面談を行っている。また外部機関にも入ってもらい、過度なストレスがかかっていないかチェック。目指すべき姿として『日本一、笑顔をつくる、醤油蔵』を掲げている。建設業においても同社の挑戦から学ぶべきところがいくつもある。(埼玉・SW)


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