コラム

2019/04/18

日本人の技術者が最優先(埼玉・SW)

日本人の技術者が最優先


▼競馬界では外国人騎手が席巻している。日本人騎手以上に勝負に貪欲な面があり、腕っぷしの強さが魅力的に映るのだろう。強い馬と外国人騎手がタッグを結成して勝利したり、上位着順を確保する光景は当たり前になった


▼その一方で日本人騎手の騎乗馬確保は年々難しくなっている。外国人をはじめとした特定の騎手に騎乗が偏りがちになっており、若手騎手の活躍・育成の場が失われている。より良い成績を目指すためだろうが、勝利至上主義の傾向が強まっているのは残念だ


▼先日、テレビ番組で北海道浦河町の競走馬育成牧場の特集を見た。日本で年間約7000頭が生産される競走馬(サラブレッド)の8割が浦河町生まれで、競走馬育成は町の大きな産業。ただし、競走馬育成に際しても人手不足は顕著で、日本人の確保が難しくなっている


▼そこで乗り手として頼ったのがインド人。育成牧場は浦河町に約30カ所あるが、育成牧場の9割でインド人が働いているという。一から乗り手を育てるには一般的に5年ほどかかるが、日本に来る前に数年間、馬の調教に携わっていることが多いことから騎乗技術が高く即戦力となっている。給料が母国の何倍にもなるのも魅力だろう。しかし一定の稼ぎをすると、母国へ帰ることが多いようだ


▼先日開かれた関東地方整備局と管内1都8県の幹部による会議で、外国人材の受け入れに関して「日本人の技術者確保が最優先で、足りない場合に外国人を補う」との発言がなされた。そのためには、日本人の技術者が育ちやすく「建設業界は魅力的」と思われるような取り組みが求められる。(埼玉・SW)


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