コラム

2019/05/15

過疎地域の生き残り(群馬・KS)

過疎地域の生き残り


▼群馬県上野村で民間取材をした時のこと。取材先の社長から三枝孝裕さんという村外から来た人がエムラボという会社を立ち上げ、珍しい事業をしているという話を聞いた。ぜひ会ってみたいと伝えると、事務所まで案内してくれた。国道脇に立つ事務所の扉を開けると孝裕さんが笑顔で迎え、室内に招き入れてくれた。室内には孝裕さんの妻、萌さんと近所に住む、おばあさんがいた


▼栃木県出身の孝裕さんは上野村産業情報センターへの就職を機に移住、センターでは観光・産業振興の仕事に従事した。民間活力によって村に貢献したいとの思いから、地域の活性化支援と中小企業の経営課題解決の手助けを行う同社を立ち上げた。神奈川県出身の萌さんは緑のふるさと協力隊の一員として村に来た


▼孝裕さんと話をしていると、おばあさんが「携帯電話の使い方は、よく分からないので三枝さんみたいな人がいてくれて助かる」と話しかけてきた。偏見かもしれないが、過疎の町村では都市部よりも地域の結び付きの強いコミュニティーが形成され、移住者は受け入れられにくいというイメージがあった


▼孝裕さんは上野村での生活について、人の良さや地域のつながりの中で生きていることを実感できるところが良いと話す。地域のことを想い、行動することで地域の人から信頼され、コミュニティーの一員として認められる。このことは移住者が過疎地域で暮らす上で重要な要素の1つではないだろうか


▼孝裕さんのようなコミュニティーの一員となれる若者の移住者は高齢化による人口減少に悩む過疎地域にとって活性化を図る上で重要な存在なのだ(群馬・KS)


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