コラム

2019/06/04

世界に通じる技術力(茨城・TI)

世界に通じる技術力


▼2019年4月5日、小惑星探査機はやぶさ2から分離された衝突装置が小惑星リュウグウに当たった。人工的にクレーターを造る今回の試みは世界初という。門外漢ながら、はるか遠くで行われている実験の成功にロマンを感じずにはいられない


▼調べてみると、はやぶさ2は10年に帰還を果たした探査機「はやぶさ」の後継機として宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した機体。今回の運用実験では単にぶつけるだけではなく、衝突装置の分離と同時に、衝突時の破片を避けるため安全地帯まで退避する必要があり、それも無事に完了したという。当然ながら宇宙である。破片を受けて壊れたからといって修理に行ける距離ではない。整正されていない地表に金属をぶつけるとなれば、作業の繊細さや難しさは想像の域を超えている


▼一部の報道でも触れていたが、今回の実験をみると、いつかは隕石(いんせき)の軌道変更なんてことに発展していくのではないかと期待してしまう。もはやSFの世界だ


▼思いつくものでは1998年公開の映画「アルマゲドン」、最近ではアニメーション映画の「君の名は。」など、小惑星や彗星(すいせい)を扱った作品は数多くある。賛否はあるが、恐竜絶滅は隕石の衝突がきっかけという説も有名だ。台風や地震ほどではないにせよ、地球上に隕石の落下跡があるのだから身近な大災害といえるのだろう


▼宇宙での実験を成功させた技術力の高さには感服する。こうした技術の進歩は発展性があり、世界でも通じる力を実感する。隕石の落下も未然に防げるようになるのかもしれない。時代は宇宙だ、と妄想に浸る今日この頃だった。(茨城・TI)


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