コラム

2019/06/06

「インスタ」と「インフラ」(茨城・RN)

「インスタ」と「インフラ」


▼「インスタ映え」という言葉を随所で聞くようになった。写真を撮って「インスタグラム」に投稿する対象として映えるという意味だ。この景色はインスタ映えスポットだとか、この店の料理はインスタ映えするなど、毎日のように耳にする。「インスタ映え」が出てくる前はどのような言葉が使われていたのか思い出せない


▼思えば、写真を撮って、それを不特定多数の人に向けて発信することが気軽にできるようになったのはつい最近のことだ。以前は美しい写真を撮ろうと思えば、一定の技術や機材が必要だった。さらに、自分が撮った写真を大勢の人に見てもらいたければ、雑誌に投稿したり、写真コンクールなどに応募するしか手段がなかったように思う


▼「インスタ映え」が流行すること、それ自体が技術の発展や生活が便利に、豊かになったことの表れだ。新しい技術が登場し、いったん定着すると、それが出てくる前にしていた苦労や不便さがすっかり頭から離れてしまうことが多い


▼これは道路などのインフラ整備にも言えることだ。例えば、道路が開通することで、時間の短縮や渋滞の緩和など、利便性や安全性が大きく向上する。しかし、いったん開通してしまうと、それまでは渋滞に困ったり、迂回する必要があったりしたことをすぐに忘れ、当たり前になってしまう


▼道路の開通は、多くの人が動き、汗を流して実現する。便利さを日常的に享受しながらも、それまでにどれほどの人が力を尽くして実現したのかということを忘れずに感謝していきたい。そして、記者として、そうした功績を世間に伝えられるようになりたい。(茨城・RN)


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