コラム

2019/06/07

文化育成ゲーム(埼玉・YM)

文化育成ゲーム


▼東京オリンピック開催まで500日を切ったというニュースを少し前に聞いた。「TOKYO」と国際オリンピック委員会からアナウンスがあった選考会がつい最近のことのように思っていただけに、そんな差し迫ったものになっていたのかと時間の速さに驚く


▼ご存知のようにオリンピックは、各国の代表がスポーツ精神に則り、日ごろの練習の成果を発揮し実力を競い合いながらお互いの健闘をたたえ合う世界的な行事だ。国によって気候風土が違うように、国によって得意な種目が違うので世界中で楽しむことができる


▼それは他の事にも言える。例えば、建設物もその一つとして当てはまるだろう。現在日本には年間で2500万人を超える訪日外国人がいる。目的は仕事や観光などさまざまだが、伸び率は年々増加している。そして訪れる先は、京都や奈良など日本の歴史、文化、伝統を感じさせる建物がある場所が多い。東京でも浅草に行くと海外からの観光客でにぎわっている


▼自国でなかなか見ることができない建物を実際に見ることは、とても興味深く、好奇心を刺激する。さらに建物からその国の文化などを勉強することができる。観光雑誌や人の説明からは読み取れない空気を感じるからだ


▼建物は国や地域に溶け込んで一体感が出てくることで価値が増していく。新築による価値は一過性のものであり、国や地域からすればまだまだ〝浮いている〟状態だ。街に溶け込む固有文化を育てた時に建物の価値は上がり、ひいては地域や国の価値が増す。そしてその価値の程度に応じて文化財、国宝、世界遺産などに認定されると思う。(埼玉・YM)


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