コラム

2019/06/22

好景気を実感できるように(茨城・MK)

好景気を実感できるように


▼今の景気は良いのか悪いのか。それを知る一つの手掛かりになるのが「景気ウオッチャー調査」だ。現場で働いている人から直接声を集めているもので、茨城県の3月調査では景気の現状判断DI(景気の方向性。50が横ばい)は47・1と少し悪かった


▼調査で寄せられた意見に耳を傾けるのも興味深い。建設業の意見では「仕事や見積もりの依頼が増えている」「年度末のため工事量が増えた。民間工事は全て4月以降に延ばしている」があった。一方で「受注量の減少や材料の値上がり、労務単価の上昇からやや悪い」と厳しい見方も


▼建設業の問題点として挙げられたのは高力ボルトの不足。「品薄で半年待ち」(建築設計事務所)。取材した業界団体の総会でも、理事長が大きな課題として挙げていた。解決へ向けて国土交通省では、市場の混乱による一時的な現象の可能性があるとして高力ボルトの標準的な発注様式を作成。活用を促す


▼人手不足が心配との声も寄せられた。ある業者は「関東では土木関係の人手不足が深刻。営業職の求人を全国で行っているが、関西地区の求職者がダントツに多く、アンバランス」。さらに、外国人労働者の受け入れが進むが「政府は日本人雇用増へ活動することはないのか」との意見もあった


▼調査では今後の見通しも聞いている。ある製造業者は「生き残るため業態を変えたり、今の業務に関連する新規事業を模索しなければ」と危機感を表す。業者の努力だけではない。経済成長が叫ばれる中、「実感のない好景気」(建築設計事務所)とならないよう働く人が好景気を実感できる施策も求められる。(茨城・MK)


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