コラム

2019/06/28

偶然選んだ仕事でも(新潟・HT)

偶然選んだ仕事でも


▼以前受講した就職セミナーで「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とする米国スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した計画的偶発性理論の話を聞いた。予期せぬ偶然の出来事の積み重ねによりキャリアは形成され、偶然を引き寄せることがキャリアアップにつながるというもの


▼さらに偶然を引き寄せ、生かすためには、新しい学習の機会を模索し続ける「好奇心」、失敗に屈せず努力し続ける「持続性」、ポジティブに考える「楽観性」、こだわりを捨て信念、概念、態度、行動を変える「柔軟性」、リスクを恐れず行動を起す「冒険心」の5つの行動指針を持つことを挙げている。要は柔軟で好奇心旺盛に前向きな姿勢で頑張ることが重要ということだ


▼業界団体主催の新入社員合同研修会で、参加者の名簿を見ると大半を20歳前後が占めたが、中には30代や40代の姿もあった。主催側に確認したところ、全員が入社ほぼ1年未満の紛れもない新入社員だそうだ


▼建設業界で働く人の中で、いまの仕事を志した理由はさまざまだろう。研修会の参加者に限らず最初から建設業を目指していた人がどれだけいるだろうか。多くの人はどこかで挫折や方針転換を経験し現在に至るはずである


▼目標を持ち、そこから逆算して計画、行動することは理想だが簡単ではない。建設業を選んだ理由は偶然の積み重ねによる結果かもしれない。仕事を選んだ大儀がなくとも、人の役に立つ、地図に残るなど大儀は後から付いてくる。当然良いことばかりではないが、希望を持って仕事を続けてほしい。(新潟・HT)


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