コラム

2019/06/29

心に感謝と余裕を(茨城・TT)

心に感謝と余裕を


▼与那国島で行われるおじの葬儀に参列するため、那覇空港に向かう途中で財布をなくした沖縄工業高校生に、埼玉県内の病院に勤務する医師が航空券の代金6万円を貸した。高校生は、その親切な男性にしっかりお礼がしたいという気持ちから、地元の新聞社などを通じ呼び掛け、無事に再会を果たした。世知辛いニュースが多い中、何だかホッとさせられる出来事だった


▼ある開通式の取材に行ったときのこと。案内には会場近隣のスーパーを臨時駐車場として使用し、ここからバスで送迎するとあったため、これに従った。通り初めの写真を撮っているとなんと、乗ってきたはずのバスが目の前を通過した


▼「なぜ?」という疑問が不安に変わるのに、そんなに時間はかからなかった。タクシーをお願いするという方法も考えたが、開通したばかりの道路では目印が少ない。自分のいる場所をうまく説明できないというのは盲点だった


▼これから片付けをするであろう主催者に近づき「帰れなくなりました」と事情を説明した。その男性は手際よく社用車を手配し「とても汚れている車で申し訳ありません」と逆に何度も恐縮しながらスーパーの駐車場まで送り届けてくれた。そんな親切に触れ、道中感謝と反省しきりだった


▼心理学の研究によると、親切な行動を続けている人は、幸福感の高い人という説もあるようだ。今回のニュースのように見ず知らずの人に、身元も十分に確認せずに数万円のお金を実質あげるという太っ腹な気持ちと経済的な余裕はないとしても、少し心に余裕をも持って身の丈にあった、さりげない親切を心掛けたい。(茨城・TT)


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