コラム

2019/07/05

常総市の大火災(茨城・TI)

常総市の大火災


▼取材の帰りに通り掛かった茨城県常総市で、立ち上る黒煙にあっけに取られた。同市坂手町で古物商を営む業者の使用済み家電置き場で起きた大規模火災だ。火災発生は5月15日で、20日に入ってようやく火の勢いが弱まり鎮圧状態となった。発生から6日を要した非常事態である


▼市の発表によると、常総広域消防本部や近隣消防本部の消防車両のほか重機が投入され、集積物を取り出しながら消火活動を展開。福島県、埼玉県、栃木県にも応援を要請し、防災ヘリコプターが空中消火を行った。遠目から現場をうかがった時には頭上を報道関係のヘリのほかに防災ヘリが飛んでいた


▼周囲には燃え広がらなかったようだが、絶え間なく煙が噴き上がるさまから大火災だと実感。大気調査では健康への影響は少ないとされている。しかし空を覆う煙には不安が募る。市内の小中学校や幼稚園などは窓を閉めて屋外活動を禁止して対応し、市役所には相談窓口も設置された。現場近くで働く住民は「怖かったが収まってよかった。ただこうした火災はひとごとではない。農作物にもどんな影響があるか分からない」と話した


▼火災が発生した家電置き場では基準を超える高さにまで積まれており、県は立ち入り調査で改善指導を行っていたという。火災は県が改善状態を確認する直前の出来事で、現場は改善されていなかったとみられる。あと少しで被害を抑えられたかもしれないと思うとやるせない。詮無きことではある


▼今回の火災を教訓に、少しでも良い方向に変わってくれることを切に願う。また消火活動に尽力された方々には惜しみない称賛を。(茨城・TI)


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